火葬許可証が封筒に入っていなかった
更新日:2010.02.26
笑えないお話
: 儀礼にまつわる失敗例
火葬釜の前でイライラ、ウロウロ1時間......
父が亡くなった時のことでした。マイクロバスの霊柩車で、集まってもらった親戚全員乗車し斎場に向かいました。
昨夜、火葬許可証が入っていた封筒を、今日着る喪服の内ポケットに入れておきました。
斎場で、おもむろに内ポッケから取り出し、係の方に渡しました。
係の方が「許可証がありませんが...」 ハア~? 「そんな筈は無い!」 と驚きつ ゝ 私も封筒を覗き込んだ。 ナイッ! たしかにナイではないか。そんなバカな! しばし呆然とした。
たしか、昨夜、夕方、打ち合わせの時、葬儀の担当者に「火葬許可証を忘れないようにしてください」「なんなら私がお預かりしましょうか?」と言われたが、父親の火葬であるので、「いいえ、私が持っていきます」とこたえ、その時どんな書類なのか中味を出して見たのが......。
「アッ、」 あの時、同級生の市議会議員が弔問に来たといって、席を立って挨拶に行き、小一時間ほどして戻り、テーブルの書類(メモ用紙)の上にあった「火埋葬許可証」の封筒を、「おっと これは大事な物」と、喪服の内ポケットに入れたのだ。 中味を入れ忘れた。
斎場の係の方に「後でお届けするから...」の懇願する言葉にかぶせて「ダメなんです!」
東京から来た伯父(亡父の兄)から 「何やってんだ!」
困りました。 あの時ほど困ったことはありませんでした。
マイクロ霊柩車の運転手さんに「家まで一緒に取りに行ってもらえませんか」とお願いしたら、「運行代金が高くなります」 チョット ムッとするのと同時に、体の中を、ツメターイ風が吹き抜けました。
誰も私の味方をしてくれる人はいません...... と、思いきや、斎場の係員が「よければ私の車をお貸ししましょうか」 渡りに船とはこのこと。幸いにもこの後釜が空いているとのこと、「事故があっちゃいけないから、誰か運転してやれ」と東京の伯父が言った。 誰もちゅうちょしている。 酒が入っていたからだ。霊柩車の運転手さんが「私がご一緒しましょう」と言ってくれた。
ありません! 家に戻って部屋の中をあっちこっち探しました。ちょっと深呼吸して部屋の中を見回しました。よく見れば見えていたはず...... ありました!。 誰が整理してくれたのか、床の間の隅にきちんと打合せたメモ用紙が分厚く置かれていました。その中にありました。
丸めて食べてしまいたい衝動に駆られました。
途中の信号待ちが、妬けに長かった。
火葬、骨揚げは遅れながらも無事終わったが、私は無事ではなかった。帰骨して早々、お参りもそこそこに、東京・川崎の親戚は帰り支度し、帰ってしまった。今日は泊っていくと言っていた親戚も、帰ると言い出した。 調理場でつくった高級料理 どうしよう...... 何と言ってお詫びすればよいのか、言葉が浮かんできませんでした。
頭の中がゴチャゴチャでした。
49日、1周忌、3回忌とも辛かったです。1週間前7回忌を終えました。あの忌まわしい話題は無くなりました。
仏前に座って手を合わせています。 私は一生忘れないでしょう。
新潟県小さな旅館経営 58歳